日本国旗 英国国旗  ようこそゲストさん! ログイン

WISTORY

WISTORYはワインを愛する人々のための便利ツールです。

WISTORY 管理人日記/異なる味の世界

管理人コラム

日記デザイン

異なる味の世界

2016-10-21

写真


『新しいワインの科学』の中で興味深かった要素について書いてみたいと思います。

私が日ごろから疑問に思っていたことについて、この本は沢山の情報を提供してくれました。その一つが、「人によって味の感じ方に個人差があるのではないか? それは身体的に遺伝等によって生じるものなのか? 経験によって生じる物なのか?」という疑問です。

この本ではワインのテイスティングや味や香りの感じ方について、様々な角度から解説しています。その中の一つに、プロピルチオウラシルという苦味成分に対する感受性の話があります。

この苦味に対する感受性で、人間は3つのグループに分かれるのだそうです。25%はこの苦味を感じないグループ、50%が適度に感じるグループ、残りの25%は敏感に感じるグループであることが分かっているそうです。とすれば、ある種の苦みを含む食品を口に入れたとき、トータルでの味(苦味以外の甘み・酸味などのミックス)の感じ方は違ってくるはず。そんな風に異なる味の世界を持つ消費者を対象に食べ物を売らないといけないわけですから、より多くの人が美味しいと感じる商品を作るのは大変難しいということになります。

一般人の日常生活にてらしてみると、私が私を含めて4人の友達とお酒を飲みに行ったとします。これが仮にサンプルのランダム抽出に相当するとしたら、4人で同じものを食べた時、2人は美味しいねと言い、1人は苦いねといい、もう一人は何処が苦いの?と言う・・・ってことですから、全員が満足する味を望むのが無理ということになります。

まあ、味は苦味だけではないので、そんなに単純な話ではありません。舌で感じる味覚の他に、香り/においの要素も加わってくるのですから、ワインの味わいに客観的な優劣をつけることは不可能ということです。

しかも人と言うのは舌や鼻で純粋に感じた情報のみに頼って味を判断しているワケではないとも、この本に書いてありました。色だとか、値段だとか、そうしたモノの影響すら受けるのだそうです。例えば同じワインをグラスに入れて、それぞれ異なる価格を付けると、人は価格の高い方のワインを好むという結果が出たそうです。また、白ワインに赤い色を付けて飲んでもらい、感想を言葉にしてもらうと、日常赤ワインの感想を言う時によく使う言葉を使って言葉に表す傾向が出たとのことです。

詳しくは是非この本を買って読んでください。




利用規約 ご利用のガイドライン プライバシーポリシー

Copyright(C) WISTORY