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ルーマニアワインで感じた事を成すには30年

2019-05-31

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最近ルーマニアのワインが案外美味しいことに気づいていろいろと考えたところ、30年という年月が何か一つの歴史を塗り替えるのに必要な年月なのではないかという結論に達した。

ここ日本でも、平成の時代が約30年で終わり、令和となった。平成になったのは1989年でバブル時代の末期であり、1991年(平成3年)にはバブルの崩壊が始まり、平成時代のほとんどが景気後退、乃至は低成長時代だったことは平成を振り返るテレビ番組などで語られていた。

日本が平成になったのと同じ1989年、ルーマニアではチャウセスク政権が打倒され、社会主義から民主主義へと移行した。そして30年なのである。

社会主義下でもルーマニアでのワイン造りは続いていたが、そこで生産されるワインが西ヨーロッパやアメリカなどに輸出されることはほとんど無かったらしい。しかし民主化により旧西側諸国との交流・交易の門戸が開かれた。民主化直後の農業やワイン造りの状況がどんなものであったかについて、私は認知していないが、旧社会主義国家のモノづくりのレベルは、往々にして高くはなかったのは事実なので、ルーマニアとて似たり寄ったりだったのではないかと想像している。西側の自由主義経済の中で厳しい競争にさらされて、品質向上なくしては生き残れないという状況に対し、計画経済でどちらかといえばモノが不足しがちで、努力しても対価を得にくい社会主義国家の産物は進歩の歩みが遅かった。

想像するに、民主化当初は、品質も劣るし、販路も無いしといった状況だったに違いない。そして民主化から30年を経て、やっと世界で勝負できるレベルになってきたのではないだろうか?

実は10年ほど前に、友人の知り合いがルーマニアの隣のモルドヴァからワインを輸入したことがある。まあその方がワインの専門家でなかったということもあり、輸入されたモルドヴァのワインは悲惨な品質だった。その時のことを思うと、ここ1年ほどで出会ったルーマニアのワインは夢のようである。おそらくこれから東欧諸国のワインがもっともっと目立つようになってくるだろう。


もう少し遡って、第二次世界大戦の終結後30年というのを考えると、1975年頃と言う事になる。この年はイギリスでサッチャー首相が誕生し、コンビニのローソンが設立された年だ(ちなみにセブンイレブンは1974年設立)。1976年には、ピンク・レディーがデビュー、また日本で初のF1レースが開催されたりもしている。やはり戦後30年で日本は名実ともに先進国となり、文化的にも広がりが出てきた。そしてその頃、私はロイヤルホテル(現在の中之島リーガロイヤルホテル)で開催されたワインのイベントに初めて参加した。すごい種類のワインが試飲し放題で、プレミアムワインは有料試飲ができ、その時初めてシャトー・マルゴーを飲んだと記憶している。

戦後30年と言うのは、ワインの生産にしても、飲む側にしても、やっと安定・拡大に乗り出すタイミングだったようだ。


ここのところ、中国ではヨーロッパから指導者を招聘してワイン造りに力を入れているらしい。2045年くらいになると中国産ワインが表舞台に立つかも知れない。



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